疾患情報
治療
Q. トランスサイレチン型心アミロイドーシスの治療にはどんなものがありますか?
トランスサイレチン型心アミロイドーシスの治療は、大きく分けて 「病気の進行を抑える治療」 と 「心臓障害による症状を和らげる治療」 の2つを行います。
1.病気の進行を抑える治療
トランスサイレチン型心アミロイドーシスは、「アミロイド」という異常なタンパク質が心臓にたまることで起こる病気です。そのため、治療ではアミロイドが増えるのを防ぐことが大切です。
現在は、アミロイドの原因となるタンパク質(トランスサイレチン)が変化してしまうのを防ぐ飲み薬や、そのタンパク質が作られる量を減らす注射薬があります。
これらの治療によって、病気の進行を遅らせることが期待できます。ただし、病気がかなり進行した状態では十分な効果が得られない場合もあるため、早期に診断し治療を始めることが重要です。

2.心臓障害による症状を和らげる治療
トランスサイレチン型心アミロイドーシスでは、心臓にアミロイドがたまることで心臓の働きが低下し、さまざまな症状が現れます。
よくみられる症状には、息切れ、足や顔のむくみ、疲れやすさ・だるさ、動悸、めまい・失神などがあります。
息切れやむくみ、だるさは「心不全」の症状です。この場合は、余分な水分や塩分を尿として体の外に出す「利尿薬」を使用し、心臓への負担を軽くします。
また、塩分の摂り過ぎや過労、風邪などの感染症をきっかけに心不全が悪化することがあります。そのため、薬をきちんと飲むことに加えて、規則正しい生活を心がけることも大切です。
一方、動悸や失神は「不整脈」と呼ばれる心臓のリズムの乱れによって起こることがあります。不整脈に対しては、脈のリズムを整える薬を使用します。また、不整脈の種類によっては脳梗塞の原因となる血栓ができやすくなるため、血液を固まりにくくする薬を使うこともあります。
さらに、脈が極端に遅くなる場合には、心臓の拍動を助けるペースメーカを体内に植え込む治療が必要になることがあります。

このようにトランスサイレチン型心アミロイドーシスの治療では、病気そのものの進行を抑える治療と、心不全や不整脈などの症状を改善する治療を組み合わせて行います。 病気を早期に発見し、適切な治療を続けることで、症状の悪化を防ぎ、より良い生活を維持することが期待できます。
医師監修:久保 亨先生